ブログ

2013.10.25

結核と非結核性抗酸菌症について④

最近は秋が短く感じます。台風が去ると一気に冬になりそうです・・・

前回まで検査のお話を書かせていただきました。

今回は治療のお話です。

肺結核の治療は確立された治療法があります。使用する薬剤はその方の肝機能などを考慮し3-4剤で開始し、途中2-3剤となり、一般的には計6ヶ月です。その方の背景(糖尿病の有無など)により9-12ヶ月と調整されます。

非結核性抗酸菌症の治療は2-3剤の抗生剤を併用し、菌の検出が陰性になり、さらにその後1年間継続するのが一般的です。菌の種類や内容で調整はされますが、原則として1剤で行うことはありません。ですので、結核に比較し、長期間の治療となることが多く、いったん終了できても、異なる抗酸菌が出現して再度治療・・・となることが多いのです。

また、ある程度高齢になると非結核性抗酸菌症の治療は行わずに経過観察とされることもあります。また、高齢でなくても、その方の病状によっては投薬治療せずに経過観察とされる場合もあります。

2013.10.15

咳は呼吸器内科へ!

秋の運動会も晴天に終わり・・・と思っていると大きな台風が来ています。

ここ最近のことですが、「咳は耳鼻科だと思っていました」というお声を何人もの方から聞きました。

呼吸器内科医としてはショックです・・・

これも呼吸器内科が医師も少なく、メジャーでありながらもマイナーのようになってしまっているからでしょう。

確かに、後鼻漏や気管支副鼻くう症候群は耳鼻科疾患でもありますが・・・

呼吸器内科がメジャーに戻る日を目指してがんばろうと思いました。

2013.09.24

肺炎予防の啓発

朝晩は過ごしやすくなりましたが、昼間はまだまだ暑いですね。

数日前から西田敏行さんの肺炎予防のCMが始まりました。

手洗いやうがいなどが大切ですが、訴えたいのは肺炎球菌の予防接種!というCMです。

肺炎球菌の予防接種で肺炎の3割をカバーすることができます。

医療費がどんどん膨らむことが問題とされているわが国です。医療費抑制のためにも肺炎予防、ワクチン接種をという考えのようです。高齢者の肺炎での入院は特にこれからの季節に増えます。

当院では常時、成人の肺炎球菌ワクチンをご用意しております。接種の必要性が自分にあるのか?などお気軽にお尋ねください。

2013.09.20

結核と非結核性抗酸菌症について③

患者さんから「入り口わかりにくいね~」とご指摘いただくことも多く、「間違えて、一階の脳神経外科にはいったわ~」という方も数人いらっしゃって、ご迷惑をおかけしておりました。このほど、めでたく(?)入り口案内の看板をビルの角の植え込みに出させていただきました。

さて今日はクオンティフェロン検査(QFT)についてです。結核の血液検査で、陽性であれば結核感染が疑われます。そして一部の非結核性抗酸菌感染でも陽性になります。ただし、過去の感染か、現在の感染か・・・は考えて評価することになります。似たような検査で昨年冬よりT-SPOTという検査も出ています。こちらのほうが免疫状態が悪くなってもわかりやすいとも言われていますが、もう少し報告をみたいところです。検査のやり方がこちらのほうが簡単なので、こちらに移行していくのかな?とも思います。

これらの検査が最近注目をあびるのは、リウマチなどの治療で生物学製剤を使用する際にBCGを使用してきたわが国では潜在性結核感染症(LTBI)を診断するために有用であるからです。生物学製剤を使用すると潜んでいた結核が発症することがあります。そのため、LTBIの方では生物学製剤使用の少し前から結核治療を始めます。このLTBIの診断は胸部レントゲンやCT、ツベルクリン反応やQFT/T-SPOTで総合的に判断することになります。

ただ、日本の高齢者、60代以上の方では幼少期から青年期にかけて自然に結核菌に感染していることも多く、陽性で出ることが多いので判断は難しいときがあります。役に立たないという先生も一部にはいらっしゃいます。

非結核性抗酸菌の一部でも陽性になることは忘れてはいけないところです。

2013.08.08

結核と非結核性抗酸菌症について②

じりじりと焦げるように暑い日が続いています・・・プールによく行く長男はずいぶん黒くなってきました。

来週半ばに4日間お盆休みをいただきます。よろしくおねがいいたします。

さて、肺結核の検査の解釈ですが・・・

なにをおいても肺結核の検査の1番は「喀痰検査」です。

この検査で痰の中に顕微鏡で見ただけで結核菌の存在が認められれば、入院となります。昔で言う、結核予防法、今で言う感染症法で定められております。これは、痰に結核菌がすでに認められていることから、人へ感染させるリスクが高いため入院となるわけです。逆に、痰にはすぐに認められないものの、培養であとから菌が生えてきた・・・という場合は人への感染リスクは低く、外来治療となります。重症度は入院だと高いと考えることができます。人への感染リスクの観点から、喀痰検査は非常に大切です。検査にもっとも適しているのは朝一番の痰です。基本的には3連痰といい、3日間検査することが望ましく、教科書的なのですが、保険診療では時に認めていただけないこともあり、悩ましいところです。ただ、注意として、見ただけでは結核菌か抗酸菌かの区別はできず、確認としてDNA検査を行い結核菌である証明ができたところで確定診断となります。痰に結核菌を目視で認める場合の結核を排菌結核という言います。つまり排菌結核は入院となります。

次の検査は画像診断、つまり胸部レントゲンやCT検査です。

最低限胸部レントゲン検査を行いますが、レントゲンでははっきりしないものの疑わしい場合はCT検査をおこないます。肺結核に特徴的な画像で痰では菌が検出されなくとも、症状とあわせて肺結核と診断されることがあります。これは臨床診断といわれるものです。この場合は菌もでていませんから、入院せずに外来治療になります。

ほかには胃液の抗酸菌検査があります。痰がなかなか出せない方の場合、胃液から抗酸菌の検出がないかをみる検査です。絶食で来院いただき、鼻から胃にチューブを入れ、胃液を採取し検査します。これは、痰が出なくとも、結核菌が出てきていれば、唾液とともに飲み込まれ、胃から検出できるという考えに基づいています。

昔からある検査はツベルクリン反応ですが、BCG接種をするわが国では、あまり診断には役に立ちません。それは、BCG接種でツベルクリン陽性反応が出る方が多いからです。余談ですが、海外ではBCG接種をいたしませんので、診断として十分使用可能です。海外留学される方でツベルクリン反応を記載する欄に陽性記載され、手続きに困られる方がいらっしゃるようです。国によってはツベルクリン陽性反応イコール結核感染となるからです。そんなときに、最近ではクオンティフェロン検査を行い、その結果をさらに添付する方法が用いられるようです。

さて、このクオンティフェロン検査ですが、血液検査です。血液で結核もしくは一部の非結核性抗酸菌症の感染を見極める検査です。この検査はリウマチなどの生物学製剤治療とも最近は密接な関係にあります。この検査については次回に書かせていただきます。

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